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ポリッシャの選び方と使い方

コーティングの艶出し、小キズ消しに役に立つポリッシャーの種類と使い方を解説

こんにちは。
日本ライティングの内藤です。

ポリッシャーは、ガラスコーティングの下地処理としてボディを効率よく磨く道具として重宝されており、一般の方でも購入して磨きにチャレンジしている人を見かけます。

しかし、ポリッシャーには種類があり、間違った選択をすると磨けない事や磨きすぎて逆に磨きキズが目立つことが多く見られます。そこで、ポリッシャーの種類と使い方について詳しく解説します。

今回もカスタムから鈑金、コーティングの数々をお客様にしてきた自動車業界に30年以上携わる小泉さんに解説していただきました。小泉さんについてはこちらを御覧ください。

ポリッシャーとは

内藤

先週の日曜日、友人がクルマ磨きをしていたんです。なんでも通販で格安のポリッシャーを購入したそうなんですが、思ったようにキズが消せないと嘆いていたんです。

何が原因なのかわからなくて、理由わかりますでしょうか?

軽トラマニア小泉

ポリッシャーでクルマ磨きか。その人は初心者なの?

内藤

初めて購入したと言っていたし、特に磨きの仕事をしているわけではないので、初めてのはずです。

軽トラマニア小泉

購入したポリッシャーの種類は聞いた?

内藤

通販サイトで、初心者でも安心して研磨できるダブルアクションポリッシャーを購入したと言っていました。

軽トラマニア小泉

なるほどね。ポリッシャーは回転運動させてその力で研磨する機械だから、回転する能力で研磨能力が変わるんだよ。

それで、回転の仕方も様々だし、回転速度も自由に変えられる製品から固定された製品まである。

内藤

ポリッシャーは全て同じじゃなかったんですね。

軽トラマニア小泉

当たり前だよ。だって、コンビニの床清掃を見たことあるだろ。あれもポリッシャーだよ。だからポリッシャーといっても色んなタイプがある。

まあ、ここではクルマ磨き用のポリッシャーのことだから、どんなタイプが主流なのか紹介するよ。

種類により研磨能力が異なる


クルマ磨きは、手作業ですると労力・時間がかかるため、特にミニバンなどの大きなクルマになるほど作業途中で挫折してしまう方がおおくいらっしゃいます。

そこで便利なのが機械の力で磨けるポリッシャーです。ポリッシャーといっても多くのメーカーから様々な種類が販売されており、初めて購入する時にどれを選べば良いか悩むことでしょう。

ポリッシャーは、回転運動をして研磨しますが、その回転の仕方が大きく分けて3種類あります。

シングルアクションポリッシャーの特徴


一番研磨能力が高いのは、シングルアクションポリッシャーです。回転は時計回りに回転するオーソドックスなタイプで、同じ回転の工具としては電動ドリルが挙げられます。

同じ方向に回転し続けるということは、一箇所にとまりすぎると同じ場所を研磨しすぎてしまうデメリットがあります。どういうことかというと、同じ場所で回転していれば、その部分に回転のキズが深く入り、円のキズが出来上がります。

しかし、その同一方向に強力なトルクで回転することは、研磨能力が高いので深いキズを取りやすいというメリットにもなります。

プロになれば、このシングルアクションポリッシャーだけで、最終仕上げまで出来る人もいますが、一般の人ではシングルポリッシャーを扱うのは難しいでしょう。

というのも、一方方向に回転しているだけですが、研磨する場所に対して回転方向に抵抗が出るようにポリッシャーを当てなければ研磨できません。

しかし、回転しているので、研磨キズだけは付いてしまうという矛盾が発生するため、移動方向を一方方向にだけ動かすと、研磨キズが目立ってしまいます。

ギアアクションポリッシャーの特徴


ギアアクションポリッシャーは、ギザギザに回転して動きます。シングルアクションポリッシャーより広い面を細かく磨くので、磨きキズが付きにくいのが特徴です。

シングルアクションポリッシャーでは、ギラギラとバフ目が出て困る時には、ギアアクションポリッシャーを使うと解決できるとあって、初めて登場したときには多くの業者が飛びついて購入した商品です。

ギアアクションポリッシャーは、初期段階からある程度キズを研磨でき、しかも最終仕上げまで比較的楽にこなせることから、初心者でも使い方を指導してもらえれば直ぐに使えるポリッシャーです。

ダブルアクションポリッシャーの特徴


ポリッシャーの中で、一番研磨能力が低いのがダブルアクションポリッシャーです。それは、回転運動と偏芯運動の組み合わせで回転するからです。元々はワックスがけやポリマーコーティング施工用として使用されていました。

それが改良されて、ある程度切削能力を備えているのが現代のダブルアクションポリッシャーです。

シングルアクションやギアアクションより研磨能力はかなり落ちますから、初心者でも安心して使用できるポリッシャーです。

ただし、研磨能力が低いということは、キズを取り去るには時間がかかることと、コンパウンドの消費が初心者は多くなる恐れがあるので、一概に初心者にダブルアクションポリッシャーが向いているとは言えません。

内藤

様々な種類のポリッシャーがあるんですね。回転の仕方で違いがあるなんて知りませんでした。

3種類のポリッシャーの使い方

内藤

それぞれのポリッシャーはどうやって使うのでしょうか。

軽トラマニア小泉

使い方は中々言葉で説明するのは難しいけど、どんな場面で使えばよいかはアドバイスできるよ。

内藤

是非お願いします。

軽トラマニア小泉

じゃあ、ポリッシャーの回転の違いで、どういった場面での使用が適切か、あと、ある程度の方法を解説するよ。

シングルアクションポリッシャーは切削能力が高い

シングルアクションポリッシャーは、ポリッシャーの中で一番切削能力が高いので、深く入ったキズを取り去るのに向いています。

また研磨スピードも速いので、作業効率が高いことも大きなメリットです。特に、鈑金塗装工場では切削能力が高いので、塗装後の肌調整に使うポリッシャーとして長く使われてきた歴史があります。

しかし、今では主流となっているカーディテーリング(クルマを細部までキレイに仕上げる)では、キズが入りやすいことから嫌われており、使用しないプロの磨き業者は多くなっています。

ただ、磨きキズは入りやすいですが、バフとコンパウンドのチョイス、そしてポリッシャーの動かし方でキズの入り方は極力抑えることが可能です。

熟練した技術と塗膜の性質を知り尽くしていることが条件で、状況に合わせた動かし方、そして回転速度の微調整、またポリッシャーを押さえつける力を加減しながら磨くので、柔らかい塗装でもキズがほとんど入りません。

これは、コーティングを行っている人達にも言えることで、塗膜がどのような状況なのかを知ることと、どのような塗料が使われているかを知らなければ、シングルアクションポリッシャーで磨けば磨くほどにキズを増やし、思ったように作業ができない状況に陥るでしょう。

ギアアクションポリッシャーは中級者以上向け

ギアアクションポリッシャーは、コーティング産業が盛んになり始めたころ発売された商品で、シングルアクションポリッシャーの磨きキズに悩まされてきた洗車業者にとっては救世主的なポリッシャーでした。


 

ギアアクションポリッシャーは、同じ場所を磨かないようにギザギザにバフが動くので、キズが深く入り難い特徴を持っています。

しかし、ギザギザと変則的な動きをしているようでも、実際は規則正しい円の中で動いているので、ポリッシャーの回転スピードや動かし方でバフ目が出やすくなります。

バフ目が入ると、太陽などの光を当てたときにギラギラとしたオーロラマークが現れますが、この原因は規則正しい円運動の研磨が重なることで起きます。

そのため、不規則にギザギザに動いても、結局決まった円運動の中でギザギザを繰り返しているので規則正しい動きに変わりがなく、初心者が使うとオーロラマークが発生します。

ダブルアクションポリッシャーは初心者でも安心

ダブルアクションポリッシャーは、回転運動に加えて偏芯運動をするので、不規則な動きで磨くのでキズが入りにくく、初心者でも安心して使用できます。

ポリッシャの選び方と使い方

基本的な動きは、広い範囲を緩やかに研磨する動きをします。動きがゆっくりで、ポリッシャーが暴れることも少なく、しかもポリッシャーを動かすスピードもマイペースでおこなっても、余計なキズが入りません。

ただし、どうしても深いキズが取り難いのがデメリットであり、一般的にシングルアクションやギアアクションでついてしまったオーロラマークを消すために使用されます。

もちろん、作業での失敗が少ない分研磨能力が期待できないので、中級者以上の人が初めからダブルアクションポリッシャーで研磨するには物足りない機種です。

内藤

ポリッシャーの使い方から選ぶとすれば、初心者ならダブルアクションが安心ですね。

軽トラマニア小泉

でも色々な工具の使い方に慣れているなら、ギアアクションポリッシャーを使用してもいいかもね。

電力の供給方法にも違いが

内藤

ポリッシャーには、回転の仕方の違いで切削能力や仕上がりにも大きく差が出ることがわかりました。この他に例えば、電力の供給方法で選ぶことはできないのでしょうか。

例えばコードレスドリルドライバーみたいなのはないのでしょうか?

軽トラマニア小泉

なくはないけどね。確かにコードレスなら取り回ししやすいし、ボディにコードが触れてキズを付ける心配もない。それじゃあ、それぞれの特徴を解説するよ。

電源コード付きは安定した研磨が可能

ポリッシャーには、電動ポリッシャーとエアポリッシャーの2種類がありますが、エアポリッシャーを使う場合、エアコンプレッサーを用意しなければ使用できないので、DIYではかなり難しいでしょう。

また、個人でエアコンプレッサーを所有していても、ポリッシャーの使用するエア量は非常に多いので、業務用の大きなコンプレッサーでなければ、回転が安定せず使い物になりません。

そこで、一般的に使用されるのが電動ポリッシャーですが、一般的に100V電源で駆動し、安定した回転とトルクを発生させます。

また、上位機種になれば回転を自由に変えることが出来るほか、低速で回転させてもトルクが落ちることなく安定した研磨能力があるのも電動ポリッシャーの魅力です。

ただし、電源コードをボディに当たらないように注意してポリッシャーを操作する必要があるので、取り回しが良いとは言えません。

コードレスではパワー不足と稼働時間に問題がある


コードレスポリッシャーも販売されていますが、有名メーカー品でなければ回転トルクが安定しなかったり、ポリッシャーを加圧させたときに回転が落ちたりするなど、作業に支障をきたす恐れがあります。

しかし、どんなに優れたコードレスポリッシャーでもクルマ1台をポリッシュするには、1個のバッテリーでは施工を終えることが出来ないので現実的ではありません。

また、コードレスドリルドライバーにバフを取り付けて磨くこともできますが、やはり稼働時間に問題がある事と、ポリッシュする時に加圧する力が上手く伝わらず研磨が難しいでしょう。

しかし、細かい部分の磨きにはコードレスドリルドライバーに小型のバフを取り付ければ、作業性はかなりアップします。

内藤

ポリッシャーを駆動させるためのエネルギーは、空気より電気のほうが一般的なんですね。

軽トラマニア小泉

電気ならどこでも使えるからね。コンセントから離れていれば延長コードさえ持っていれば何とかなる。

内藤

磨き作業に必要なポリッシャーにもいろんなタイプがあることがわかりました。自分にあったポリッシャーを選べば、失敗なく作業できそうですね。今回も詳しい話、有難うございました。

まとめ

ポリッシャーを初めて使う人は、ダブルアクションポリッシャーから入れば失敗が少なく安心ですが、綺麗にキズを消したいという強い思いがあるなら、思い切ってギアアクションポリッシャーを使いましょう。

ギアアクションの中にはスピード調整が可能で、磨きキズを最小限に抑えてしかも塗装を剥離してしまうような失敗も抑えられる製品もあります。

また、ギアアクションポリッシャーでオーロラマークが気になるようなら、コンパウンドやバフを変えることで、一般の人には気にならないレベルまで磨くことも可能なこともギアアクションをおススメする理由です。

   
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