こんにちは。
日本ライティングの内藤です。
ガラスコーティング剤の中には施工技術が求められるモノがあり、下手に手を出してしまうとムラが発生してしまったりと、トータルで高い技術が無ければ納得できる施工ができない商品も多くあります。
初級・中級編でもお伝えしましたが、下地処理の完成度が高ければツヤも撥水性能も長続きする特徴があります。この長続きする理由は、完璧な下地処理により塗装被膜への密着効率が高まるからです。
そして、日本ライティングのゼウスクリアはハイブリッドガラスコーティングのため、一般の製品よりイオンデポジットやガラスコーティングが付着しにくい特徴があり、完成度が高い下地処理を行えば、美しい状態で車を維持できるようになります。
また、コーティング剤の施工性が良いので、一日の施工時間の中で下地処理に時間を割くことができます。
今回は、コーティングの出来具合を大きく左右する下地処理をプロ級に仕上げる方法を詳しくお伝えします。
【初級編】はこちら
【中級編】はこちら
内藤
でもその完璧とは、どういった技術を使えば出来るのか、具体的に教えて欲しいのですが。
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
完璧な下地処理とはキズや汚れのないボディに仕上げることです。しかし、ボディには汚れやキズが必ず付きます。汚れにも様々な種類がありますが通常のシャンプー洗車で落とせるものから、市販のシャンプー洗車で落とせないものもあります。
そういう全ての汚れは、クルマの塗装表面にこびりついており、どんなに小さい汚れでも付着している部分は塗装表面の上になっています。
逆にキズは、塗装を削ってしまっているので、キズの無い部分より下になっています。
艶や撥水性の効果を発揮させるためには、コーティング剤を均一に塗ることが必須になりますが、上述の通り塗装表面は目で見ても判断ができない凸凹があることから、均一に塗ることが難しいです。
更に、汚れの成分には油分が含まれていることがあり、コーティングの密着を妨げ長期間コーティングを持続させることを難しくさせています。
このことから、汚れやキズをキレイに塗装表面から取り去ることが出来れば、ガラスコーティングを均一に塗布することができ、密着不調を防ぐことが出来ます。
完璧なガラスコーティングをするには、それなりの道具を用意しなければ無理といってもよいでしょう。
道具の種類を大きく分けると、汚れ取りに必要な道具と、キズを除去するために必要な道具に分かれます。そして、それぞれの道具は以下の道具を最低限用意する必要があります。
②ポリッシャー(シングルアクション、ギアアクション、ダブルアクションといった種類から選ぶが、キズが多い場合はシングルアクション、そして磨きキズを消すならギアアクションやダブルアクションポリッシャーを使う)
③バフ(スポンジバフやウールバフがあるが、それぞれ硬さが異なり切削能力も異なる。硬いほど良く切削できるが磨き傷ができやすいので、キズが多い時はウールバフを使い、次に硬めのスポンジバフ、そして仕上げは柔らかめのスポンジバフを使う)
④磨いた後に拭き取るマイクロファイバークロス数枚。
これらの道具を使い分けながら、汚れとキズを完璧に落とせばキレイな下地が出来上がります。また、高い技術が必要なのは磨き工程で、ポリッシャーとバフ、そしてコンパウンドを組み合わせて最適な磨きを行います。
例えば、シングルポリッシャーにウールバフを装着し、細目のコンパウンドで磨けば、かなりの切削能力があるので洗車キズは直ぐに綺麗になるでしょう。
しかし、ダブルアクションポリッシャーに柔らかめのバフを装着し、超微粒子で磨いても洗車キズはほとんど消えません。
しかし、この組み合わせを変えることで、シングルアクションポリッシャーの磨きキズも消すことが可能です。
コンパウンド・ポリッシャー・バフの選び方についてはこちらの記事をご参考ください。
内藤
どのようなことに注意すればプロのように綺麗にコーティングできるのでしょうか。
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
洗車は、簡単なようでかなり奥が深く、汚れ落としにはテクニックが必要。洗車で汚れを綺麗に落とすことが出来れば、その後の磨きも楽に作業でき、仕上がりがキレイになるでしょう。
まず、洗車ではカーシャンプーを使いますが、カーシャンプーした後に落としきれない汚れをどうやって落とすかが課題といえます。
たとえば、洗剤で落とせない汚れを、後からコンパウンドで研磨しようと考えると、その汚れがスポンジバフに絡み、バフ目をつくってしまう原因になります。
そのようにならないためにも些細な汚れもしっかり落とすようにします。
日本ライティングのゼウスクリアキットには、鉄粉とりねんどが同梱されているので、鉄粉は取り除くことは可能です。
しかし、特に白系のクルマのボディ下部に付着が目立つ黒いツブツブは、ピッチタールと呼ばれ、これは鉄粉とりねんどでは落とそうとしてもかなり大変です。
ボディの汚れの中で、下部に付着した汚れが最も落としづらく、特に目線より下側の汚れは気が付きにくいです。また、屈まなければ作業できないため、おろそかになりがちです。
これが危ない。
なぜなら、汚れを残したままポリッシャーでコンパウンドを掛けてしまうと、ボディ下部の汚れがバフに絡み、他の部分にキズを付けてしまう原因になるからです。
そこで、ボディ下部に付着した汚れは水アカ落とし洗剤などを使いキレイに落とします。
ボディ下部には、黒いツブツブのピッチタールの汚れが多く、昔から様々な洗剤が販売されているので、カー用品店やホームセンターで簡単に手に入ります。
スプレータイプのものは、溶剤をふりかけてから、しばらく置くと汚れが溶解して落ちてきます。手軽ですので、それらを利用すると良いでしょう。
また、専用ケミカル剤で溶解させるほかに、シリコンオフをたっぷりしみ込ませたウェスで拭いてもピッチタールは落とすことが可能です。ただし、手の皮膚が弱い人はそのまま使用するとカサカサに荒れる恐れがあるので手袋の使用が安全です。
ボディ下部の汚れを落としきったら、塗装面を手で触りざらつきが無いか入念にチェックします。もし、ざらつきがあった場合は、鉄粉とりねんどにカーシャンプーを付け擦れば、ざらついた汚れを落とすことが出来ます。
これらのケミカルを使用する場合に注意すべきことは、樹脂やゴム部分に付着させないことです。ケミカルは溶剤なので、樹脂やゴムを白く変色させる恐れが高いので、十分注意して作業しましょう。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
そしてやり方によっては磨きキズが目立って綺麗な塗装表面ができないからね。
内藤
軽トラマニア小泉
コンパウンドをバフに着けてポリッシャーで磨いても、小キズやイオンデポジットがなかなか取れないことがあります。その場合、いくら粗目のコンパウンドを使用してもそれほど改善されません。
これは、ポリッシャーの回転方向と磨く方向がバラバラになっていることが原因です。そしてポリッシャーもシングルアクション、ギアアクションそしてダブルアクションと3種類あり、それぞれ切削能力が異なります。
この違いは、シングルアクション > ギアアクション > ダブルアクションの順で切削能力が低くなります。
そのため、研磨能力を求めるならシングルアクションポリッシャーですが、こちらはある程度経験がなければ難しいポリッシャーです。
というのも、シングルポリッシャーは切削能力が高いですが、研磨キズが付きやすいというデメリットがあるからで、研磨キズを付けないようにポリッシャーを使うにはある程度の熟練した技術が必要になるからです。
しかし、どのポリッシャーでも回転する方向があるので、その方向に逆らうようにポリッシャーを動かすことで切削能力が高まり研磨したい部分をキレイにできます。
ポリッシャーは赤い矢印方向に回転しているので、黄色い矢印方向に向けて動かすイメージで使用すれば、切削能力が上がります。
ポリッシャーを使い研磨した後に気になるのがオーロラマークと呼ばれる研磨した後に白くモヤモヤとした部分が出る現象です。
この原因には以下の4点が考えられます。
これらを一般の人が全てクリアすることはかなり難しいといえます。しかし、汚れたバフを使い続けることや、コンパウンドやバフ選びは一般の人でも十分可能でしょう。
また光源も狭い範囲を照射できる明るいLED懐中電灯があればかなり違います。
そこで、オーロラマークを出さないためには、常にキレイなバフを使用して磨き始めることと、コンパウンドを変えるならバフも変えることです。
同じバフで違う粗さのコンパウンドを使用すると、コンパウンドがバフで混ざり本来の性能を発揮できないばかりか、オーロラマークを作る原因になります。
そして、ポリッシャーもまだ選んでいなければ、ギアアクションポリッシャーを選ぶとよいでしょう。このポリッシャーは、変速的な動きで回転するので磨き傷がつきにくくオーロラマークが出にくいことで知られています。
黒系のクルマをポリッシャーで磨くときには、磨きキズに特に注意が必要です。
黒系は、白系に比べて光を吸収するので、細かいキズを浮かび上がらせてしまうためですが、この細かいキズを消すには数種類のコンパウンドを使い分けて研磨することがポイントです。
黒系でも洗車キズが目立っていれば、細目からコンパウンドを使用します。そして、バフも良く切削できるウールバフを使用しても良いでしょう。
しかし、良く切削できる道具を使えば小キズは消えますが、キズがあった部分まで塗装を削っている訳なので、周り全体が細目コンパウンドのキズが多く出来上がっています。
これを今度は、極細目を使い細目コンパウンドのキズの深さまで削り落とします。すると極細目のキズが全体に出来ますが、この時点ではコンパウンドの粒子が非常に小さいので通常ではキズはわかりません。
しかし、光を当てる角度で極細目のキズが見えるので、今度は超微粒を使い、スポンジバフも柔らかい仕上げ用バフで磨いていきます。
ここまですれば、一般の人でもかなり納得がいく光沢が塗装表面につくりだすことができるはずです。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
クルマの塗装は100ミクロン程度で、しかも上塗りのクリア塗装は30ミクロン程度です。100ミクロンはだいたい髪の毛1本程度といわれているので、かなり薄い塗膜であることがわかると思います。
そして、ガラスコーティングの厚さの平均は約0.1ミクロン程度なので、非常に薄い被膜であることがわかります。
そして、同じように塗るという事は塗り残しが無いように塗る事であり、それをするには同じ量で均一で塗ることがポイントです。
同じ量で均一に塗れなければ、必ず塗り残しが発生し、仕上がった後に光沢に違いが出てくるでしょう。
これは、塗り残しがある部分は、コーティングされていないので、すっぴん状態です。塗装表面は保護されておらず、汚れて洗車するとすぐに細かいキズが付き、光沢が失われるからです。
塗り残しがなく均一に塗布した後、また重ね塗りする人も見られます。これは、コーティングで光沢やツヤを出すという発想から来ていますが、実際はそう簡単ではありません。
ガラスコーティングは、1回塗布した後に次に重ねて塗ると、1回目と2回目の間に密着不良が起こります。これは直ぐに不良となって現れませんが、時間の経過とともに剥離が起こります。
また、密着を高めて重ね塗りができたと仮定しても、今度はコーティングの被膜が厚くなったことで、クラックが入りやすくなります。特にガラスコーティングは硬い被膜なため、走行中の振動で次第に割れてしまうでしょう。
では、クルマの塗装がなぜ割れないのかというと、3H程度の柔らかさで柔軟性があるからです。しかし、ガラスコーティングはゼウスクリアでも7Hという硬さなので塗膜に比べると非常に硬いことがわかります。
そのため、重ね塗りをして光沢やツヤを増すことが出来ても、次第に剥離やクラックが入る可能性があるので、極力重ね塗りはしないようにしましょう。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
でもそれじゃあコーティングした意味がないからもっと良い方法を説明するよ。
さらなる光沢やツヤを求めるなら、表面の凸凹を埋めて光の乱反射を抑えるワックスが効果あります。しかし、それではせっかくコーティングした意味がないと思う事でしょう。
そこで、ゼウスクリアのキットにはメンテナンス用簡単ボディコーティング剤が入っています。この成分にはシリコンレジンが含まれているので、優れた撥水性だけでなく光沢も得られます。
このメンテナンス剤を塗布することで、ゼウスクリアを更なる深みのあるツヤにすることが出来ます。
内藤
軽トラマニア小泉
ガラスコーティングをキレイにプロ級に仕上げるには、それなりの道具を揃えなければ、かなり難しいといえます。
そして、ガラスコーティングも種類によっては塗布技術が難しく、下地処理がキレイに出来ても最後のコーティングの塗布でムラができ、キレイに出来ないことがほとんどです。
しかしゼウスクリアでは、下地処理がキレイに出来ればコーティング剤の塗布は非常に簡単なので、かなりハイレベルなコーテインング施工が可能です。